2019年8月22日木曜日

本屋は儲からない

書店でバイトしてた時、コミックを100冊以上入荷し並べてました。
ただし、それはワンピースなど大ヒット作の時だけです。
もちろん大量に仕入れるときはそれだけ売れる見込みがあって、仕入れるわけですが、
いつもそうではありません。
発売日から経過したものでも売れそうなものを少しづつ仕入れ、大量に仕入れた商品を並べなおすだけです。
それが業務のほとんどです。

薄利多売とはこの業界のためにあるのかと思うほどです。
実際、最低時給より上の書店バイトは皆無と言っていいでしょう。
賃金だけで見てしまえば、好きでなくてはやっていけない商売です。

「紙の本」の売り上げ、13年連続で低下 電子書籍は好調も

出版物の分類別売上推移をグラフ化してみる(最新)

全てがネット普及によるものではないでしょうが、書店の売り上げは確実に低下しています。
実際に私のバイト先近くの書店は20年の間に3件潰れ、ブックオフも品ぞろえが薄くなり、立ち読みができる本が少なくなりました。
代わりに近所ではコンビニは5件ほど増え、ドラッグストアができて、その他チェーン店も改装するほどの余裕です。

確実に書店だけが衰退しています。
また日本には「取次」というシステムがあります。
ざっくり説明すると本が書店に来るまで、
「出版」→「取次」→「各地の書店」
という流れです。

その契約していた取次が倒産し、次の契約までドタバタした記憶があります。
結果的に中堅の取次に決まりましたが、業界1位の大手だと条件が悪く、妥協した末の選択だったそうです。

特に「返本」の条件が大手だと厳しかったそうです。
返本というのは売れなかった本を無償で返せる制度(一部例外あり)なのですが、
返せる条件みたいなものがあるらしく、懇意にしていた前の取次のようにはいかないようでした。
大手だと老舗みたいに付き合いが長くないと扱いも悪くなるのです。

このように業界も低迷し、政治力学も発生することにより零細の街の本屋は悪戦苦闘しています。
出版業界もにおいては雑誌の廃刊を多く目にしました。今でも廃刊の勢いは止まっていません。
コミックや漫画雑誌は元気ですが、書店としては単価が低く、労力に対して割に合いません。

また専門書や学術書は場所を取り、売れるかどうかわかりません。
さらにネットで買う方が確実で荷物にならないので、書店での需要は低くなります。
本を売るという行為だけでは厳しくなるなら他に販路を拡げるしかありません。

日本の書店がどんどん潰れていく本当の理由

もはや単なる本屋は生き残れない?〜進む書店の新業態化〜

時代が変化をすれば、当然、業態も変化を迫られることがあります。
まさに書店が変化を求められた業態であり、国内外問わず、プラスアルファを取り込んでます。
もっとも時代の変化に寄らずとも商売というものは創意工夫が必要なものでしょう。

より売り上げを伸ばす工夫をし続けたところだけが変化に対応できます。
書店も例外ではありません。本屋だから本を売るだけでいいというわけにはいきません。
市場に参入している以上、他の娯楽商品などと競争にもなります。
弱ければ撤退することも免れられません。
時代の進歩により便利になり、難しかったものが簡略化され、手軽になった今、

やれることは増えました。それにより経済も多様化しています。
出版業界は経済だけでなく、文化的要素も強く内包しているため、空気を乱すような改革は難しいでしょう。
ただ、それでもやはり経済社会から目を背けていい理由にはなりません。

どんなことをしてでも生き残り、最後まで立った者だけが文化を語れます。

自分のバイト先の近くなら、学校が近いため、学校と連携を取るなどもできます。
また児童書はリンク先にもあるように好調なので、維持と強化に努めるべきでしょう。
リアルな場である書店にしかできない売り方もあるはずです。
それが何であるかは地域にも寄るので一概には言えませんが、
対応すべき変化の模索と実行が急務と言えるでしょう。

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